妹へ
元気ですか?
電話で会社の自己紹介プロフィールにある『座右の銘』について話したけど、それにあやかって、今日はエレベーターピッチについて話します。
座右の銘のいいところは、短い言葉で、「この人はこういうことを目指しているんだ/心がけているんだ」と印象付けることができることです。エレベーターピッチもそれに似ていて、上手くいけば、エレベーターで出くわした短い時間に誰かに自分を印象付けることができます。
エレベーターピッチとは?
エレベーターピッチは、エレベータの中でピッチする(売り込む)という考えで、エレベータ―でお金持ちや有名人に出くわした時に、その機会を使って短い時間で自分や自分のアイディアを売り込むというものです。スタートアップで溢れているシリコンバレーがこれの発祥の地だといわれています。
エレベーターピッチのつくり方
エレベーターピッチをネットで検索すると、色々な構成方法が出てくると思うけれど、基本は、短い時間で重要なことを伝えて相手に興味を持ってもらい、「もっと時間をかけて話を聞いてあげてもいいじゃないか」と思われることです。
コミュニケーションでは伝える力が大切だと思っていますが、話しを聞きたがらない相手に何かを伝えるのは難しいです。だからお姉ちゃんの中では、相手の心理を察した上で、それに応える形でピッチを構成するといいと思います。
大まかにこれがエレベーターピッチの内容です。
①自己紹介(なんでいきなり話しかけてくるんだ?)
②興味をひく(この人と話す価値はあるのか?)
③内容を伝える(一体私から何を求めてるんだ?)
④今後(だから何をすればいいんだ?)
長さは内容によって30秒~1分がいいのではないでしょうか。
エレベーターピッチの使い道
使い道は、デートの誘いから、セールス、投資家探しまでいろいろと使えると思います。
ナンパがあった時代、原宿駅とかの前にチャラい男が大勢で張っていて「お姉さんお茶しない」というように次々と色んな人に声をかけていました。ここでもエレベーターピッチが使えます。
①自己紹介(なんでいきなり話しかけてくるんだ?)
僕は怪しい奴じゃありません。名前はXXで、XX大学に通ってます。
②興味をひく(この人と話す価値はあるのか?)
きれいな人がいるなと思って声をかけました。(褒めることによって興味をひく)
③内容を伝える(一体私から何を求めてるんだ?)
一緒にお茶したいです。
④今後(だから何をすればいいんだ?)
今時間ある?
適当に今考えたけど、こんな感じです。
ナンパ男から声をかけられたら、構えてしまいます。これは話したくもない知らない人に声を掛けられたら、誰でも反射的にそうなってしまうものです。このガードをいち早く下げてもらうのがミソです。
たとえば、あなたが転職のために、興味のある会社に面接に行って、帰りのエレベーターでそこの社長さんと一緒になったとします。
①自己紹介(なんでいきなり話しかけてくるんだ?)
私の名前はXXです。今日は面接に来ています。
②興味をひく(この人と話す価値はあるのか?)
私はXXの資格を持っていて(資格をアピール)、X年間XXで働いていましたが(長い業界での職務経験をアピール)、
③内容を伝える(一体私から何を求めてるんだ?)
どうしてもここで働きたいと思って面接にきました。こうやって社長さんとも直接お会いできたので、もう一度、この会社で働きたいということをお伝えしようと思いました。
④今後(だから何をすればいいんだ?)
今日はXXさんに面接をしていただきました。お時間があれば、もう一度私の履歴書に目を通していただければと思います。宜しくお願い致します。
こんなところです。
その他の使い方
エレベーターピッチは、確かに、エレベーターで誰かに遭遇することを想定して作られたコンセプトだけれど、伝えたいことを手短に要点だけを伝えることができるのは、どこにでも生かせるスキルです。
いきなり座右の銘を聞かれても出てこないように、普段から考えておかないと、伝えたいこともそんなに簡単には出てきません。自己紹介ひとつでも、数ある特徴の中でどれを強調すればいいのか、自分の長点や人よりも優れているところは何なのか、常日頃から考えておくのもいいと思います。
エレベーターピッチが使える場面:
ー大好きな有名人にばったりと会って、握手をもらってサインしてほしい。
―何かのイベントでチケットは取れなかったけど、ボランティアとして参加させてもらいたい。
などなど、無理なお願いをする時に使えると思います。
あなたも、いろんな場面を想定して、自分のエレベーターピッチを考えてみてください。
お姉ちゃんより