妹へ
元気ですか?
お姉ちゃんは先日DNAテストを受けました。ちょっと結果に驚いたので、その結果を含め、今日はDNAテストでルーツを知ることについて話します。
DNAテストの結果で驚いたこと
これがテスト結果です。
94.8% 日本・朝鮮
3.8% 中央アジア
1.4% フィンランド
ちょっと驚いたのが、中国は一つの遺伝子グループとして存在するのに、結果になかったことです。「ロシア」は遺伝子グループにないので、想像では、中央アジア(カザフスタン)とフィンランドの間にいたロシア人系の血が混ざっているのではないかなと思います。といっても祖先に一人のロシア人がいるというのではなく、北海道から徐々に混血同士の人が一緒になっていって南下してきたのではないかなと思います。
だからお父さんとお母さんのどちらかがフィンランドの血が濃いというわけでもなく、どちらも1.4%ということも考えられます。
日本の血が94.8%は濃い方だと思います。これは代々農家で、土地を離れた先祖がいなかったからだと思われます。
ちなみに、ネットにのってた東京出身の人のDNAテストの結果見たら、大都市というのと日本は南下するにつれて朝鮮半島に近づくということもあり、中国人や東南アジア人の血が混ざっていました。
そしてその人もフィンランドが1.5%以上で入ってました。
DNAテストと日本人
歴史でも習った通り、3世紀ごろにはもう渡来人として多くの人が朝鮮半島から日本にやってきています。だから、日本人と韓国人を分けることはできないのかもしれません。
そうなると、そもそも日本人って何なのかなと思ってしまいます。
日本は島なのではやり日本列島にどこからか住み移ってきたようですが、ウィキペディアによると、それが起こったのは3.7-3.8万年前で、日本人の約35パーセントしかこの遺伝子を持っていないといいます。
DNAテストのメリット
DNAテストはおもしろいですが、日本人にはあまり面白くないかなと思います。
移民の歴史のある北アメリカやオーストラリアでは、自分の先祖が一体どこからきたのか知らない人はたくさんいます。だから知りたくなる気持ちや家系図を始めたくなる気持ちもわかります。
このDNAサービスで面白いのは、もしも親せきで同じDNAテストを受けた人がいたら、知ることができるということです。お姉ちゃんもなんと、第3従妹を見つけました。名前が中国人だけど、ヨーロッパに住んでいます。今度連絡をとってみたいと思います。他にも第5-7従妹なんていう人も世界中にいるようです。
DNAテストのデメリット?
そもそもなぜお姉ちゃんが価格の割に結果がそんなに期待できないとわかっているDNAテストを受けたかというと、彼氏にプレゼントしたらいらないと返されたからです。自分のDNAを第三者に渡すのは嫌だからという理由でした。これで自分のクローンが作られるとか、政府が人のDNA情報を秘密で集めているのを心配してたのでしょうか。
結果的には、お母さんが中国人に見間違えられるだけに、中国のDNAがなかったことが驚きだったのと、フィンランドという意外な発見があったところで(でも他の日本人でもっと濃くフィンランド系の人がいたので、興奮は薄れたけれど)やる価値はあったのかなと思います。
日本人であること
例えお母さんが中国人に見えても、日本人の苗字と名前がある限り、他の日本人から「実は日本人じゃないでしょ!」と言われることはありません。在日の人も多くいるけれど、差別を恐れて日本名を名乗っている人も沢山いるようです。
英語教室で一緒のクラスだった人が「先日おじいちゃんが無くなったんだけど、実は朝鮮人だったんだって。お母さんが誰にも言うなって言われてたから亡くなって初めて教えてくれた」という話をしてくれました。この人はこれから先、どうこの情報とつきあっていくのでしょうか。
日本と部落差別
丁度今日、『部落差別の青春』を読み終えました。
アメリカで人種差別反対運動が起きている時に、それ系の本を読もうとして、「でも日本人として日本の差別を知っておくべきでは」と思いとどまってこの本を読み始めました。
あなたは部落差別について何を知っていますか?
お姉ちゃんは、昔授業で、部落の人は苗字だけで結婚差別や就職差別にあったりすると習っただけで、どんな苗字が差別されているのかわからないような地域で生まれ育ったから、関西あたりにしかないと思っていました。
しかし、東京の同僚で、同県出身の人に「あ、うちの周りにもいるよ。皮製品扱ってるからすぐにわかる」と言われてびっくりしたのを覚えています。この本で、部落出身であるということは苗字ではなく出身地や血筋、職業や話し方や食べ物でわかるということを初めて知りました。多くの人が学校で部落差別を習う時に、先生から教えてもらって部落出身であることを知ったとも書いてありました。
どうやら、自分が部落の人であることを周りに言うか言うまいかで、もやもやしている人も沢山いるようです。言ったら差別されるかもしれないけど、言わなければ何かを隠しているような気がするし、部落差別的な発言が自分の前でされかねないし、それについて何もできない、そんなジレンマがあるようです。でも自分が部落出身だということを知らない人もいるし、子供に言わない親もいるようです。自分が部落の人だと知っていても、差別を受けたことがないという人もいて、
この本は本当によく書かれていて、探偵を雇って誰かが部落出身かを調べる身辺調査をするのは違法だとか、そんな全く知らないことまで書いてありました。
でもこの人達は日本人です。遺伝子だけで見たら、日本人遺伝子がもっと濃いかもしれません。ぱっと見ただけではもちろん部落の人だということはわかりません。それなのに自分の国で肩身の狭い思いをしている人がいると思うととても切ない気持ちになります。
あらためてDNAテストのデメリット
ウィキペディアにもある通り、日本人の遺伝子というものはあるように見えます。
もしも、日本の在日の人達が差別されないように、日本と韓国の遺伝子を区別しないようにしていたのだとしたらそれはいい行いなのではないかなと思います。
「生まれも育ちも日本の純血の日本人」と今後言える気がしません。
お姉ちゃんより