人生は短い

妹へ

元気ですか?

読書、芸術、哲学の秋になって、色々な考えが浮かんできますが、あなたはどうでしょうか?

いきなりですが、今日は人生の短さについて話します。

人生は本当に短い

あまり普段は意識していないけれど、ふとした時に人生は短いなと感じます。

「先延ばし魔」の話しで出たように、自分の寿命と残された人生を意識することが、先延ばしをやめる鍵になります。いつでもできるから後で後でと先延ばしにしていることが、実はそんなに後がないということを実感するとエンジンがかかります。

でも逆に、寿命を意識しすぎてしまうと、一体なんのために頑張ってやっているのだろう、という気持ちになってしまい、自暴自棄になってしまうこともあるかもしれません。

人間は、自分の寿命を知る唯一の・数少ない生き物だと言われています。でもそれを意識して生きているかというと、そうではありません。春に「桜は散るから美しい」と思ったり、誰かの葬式で人生の儚さを実感する、でもそういう気持ちは時と共に薄れてしまいます。こういうことを長期的に意識しないほうが精神的にはいいのかもしれません。

でもお姉ちゃんのまわりで少なからず死を意識している人は、死を恐れつつ、全力で生きている感じがします。

椎名林檎の歌詞

「人生は夢だらけ」という椎名林檎の歌を知っていますか?

お姉ちゃんは、今年コロナのせいで発生したホームシックで、日本の曲を聴き始め、2020年になって初めて聴きました。

これは人生の短さを感じて、今を生きようっていうのにいい曲だと思います。

先に、あまり死を意識しすぎてしまうと、「何のために頑張っているのだろう」と思って自暴自棄になるかもしれないといったけれど、そこに対しても曲の中にはこんな歌詞があります。

この世にあって欲しい物を作るよ
小さくて慎ましくて無くなる瞬間
こんな時代じゃあ手間暇掛けようが

掛けなかろうが終いには一緒くた
きっと違いの分かる人は居ます
そう信じて丁寧に拵えて居ましょう

お姉ちゃんのまわりの人の経験

うちの会社に、新しく入ったあまり愛想のよくない同僚がいて、一応入社した人とはみんなとコミュニケーションを取らないといけない立場にいるので、第一印象はあまりいい感じではありませんでした。

ある日、その人のデスクに何かを届けないといけないことがあって、その人のモニターを見たら、小さな白黒写真が貼ってありました。

moon and stars
Photo by Min An on Pexels.com

よく見ると宇宙の写真みたいで、何かの惑星が一つだけ写っていて、黒いなにもないところに矢印と一緒に『me』 と書いてありました。家族とか自分の犬の写真とかをデスクに飾る人が多い中で、これは面白いなと思いました。

これを見れば、誰かにイラついても、宇宙の中の地球上の、針先よりも小さい国にいる小さな自分の存在を考えれば、どんな問題もちっぽけに感じられるものです。それ以来、この人への印象が変わりました。

その人は一年あまりで辞めることとなり、仕事の最終日に初めて二人でランチに行ったら、なんとずっと興味があったからという理由だけで、料理の道に進むことにしたと言っていました。

博士号もあって、研究者として雇われたすごく頭のいい人なのに、今までの何年間もが無駄になってしまうのではないかなとも思いました。給料も半減くらいしてしまうのではないでしょうか。

でも人生は短いし、夢だらけなのです。

自分が 守ろうとしている物事は、意外に小さいものです。長くて終わりが見えない、苦労の多い辛い時期もあるけれど、視点を変えれば、自分を悩ませている一番の問題も案外小さいものだったりします。

人生は短いのに思い通りにいかない

先日、飲み会で会った人に、『When is your bed time?』 と聞いたら「19歳の時かな、仕事もなかったし、何の計画もなかったし、暗い時期だったよと」と苦労話を始めて、一体どこで寝る話しをするのかと思ったら、bad time の聞き間違いだったということに気が付きました。

とにかく苦労しているんだなと思って、でも誰にでもこういう時期ってあるんだなとも思いました。

人生は短いのに、思った通りにいかないことばかりで、人や状況にに振り回されて脱線したりして何年も失ってしまうものです。例えば、コロナのせいでワーホリに行けなくなったとか、急に妊娠して思いもよらない道を歩むことになったり、家族の病気のせいで、自分中心から家族中心にになったり、いつ何があるかわかりません。

逆に言えば、人生が自分の思い通りにいく時期は短いし頻繁にはやってこないから、チャンスとして使わなければいけないということです。

急に自分の人生の方向転換をするのは勇気がいるけれど、ずっと好きだった人が独身になった時にアタックしたり、「貯金もあるし、特にしがらみもない今がチャンスだ!」と仕事を辞めて海外に出てみたり、仕事が落ち着いてきたから、ずっとやりたかった習い事を始めたり、小さいことから大きいことまで、いつでもできると思っていたら、人生、何も起こらないうちに終わってしまいます。

椎名林檎の曲だけど、最後はこうやって終わります。

それは人生 私の人生 あぁ 誰の物でもない

奪われるものか 私は自由

この人生は夢だらけ

お姉ちゃんより