妹へ
元気ですか?お姉ちゃんは元気です。
最近、友達の35歳の誕生日を祝いに行きました。
この友達はすごい人で、プログラマーを仕事にしながら、年に6か月働いて6か月は放浪するということを28歳くらいの時からしていて、33歳から「40歳でリタイヤする」ということを目標に必死に働いている人です。
そんな友達は、お姉ちゃんの何倍も旅行している人なので、会うたびに自分がどれだけ旅行をしてないかを話せる唯一の人です。お姉ちゃんは他の人からしてみれば旅行してる方だから「そんなに旅行してるんだから、もういいでしょ」と思われがちです。
その友達に今回相談したのは、「年々旅行に行きたいという意思が減っている」ということ。
「正直、このままオーストラリアとか南アメリカとかアフリカとか行かないうちに死ぬことになっても、後悔が残る気がしないんだよね」というと「それは、年をとってきてるってことだよ」と言われました。あなたが、ワーホリに行く気力を無くしたのは、そのせいもあるかもしれません。
その時に言われてはっとしたのは、「年をとるにつれて、周りに対する興味も薄れて、周りから自分に対する興味も薄れていくものなんだよ」という言葉です。前は若いくて可能性に溢れていたせいなのかわからないけど、年上の人に可愛がられたり、奢ってもらったり、ためになるアドバイスをもらったりしていたけど、そういうこともここ数年めっきり減っている気がします。人生の相談ごとをしても「いい大人に説教してもしょうがないな」とあきらめられているのかもしれません。
もちろんこれは自分のせいでもあって、知らない人に会う機会も少なくなり、会ったばかりの人のことを知ろうとすることが面倒になっているところがあります。知らない人を好きになろうという努力も減っています。
お姉ちゃんは18歳の時に短大で色んな国の人に会って、韓国人からアフガニスタン人と、とにかく会う人に「自分の言葉でこんにちは、ありがとうってどういうの?」と片っ端から聞いていました。今では、新しい国に行った時に、現地の言葉でありがとうをどういうか調べるくらいで、あとはいろんな国から来た人に会っても、その国に関心や興味を示すようなことがほとんど全くなくなりました。
だから少しでも「デンマークに行ってみたい」とか「海外にちょっと住んでみたい」という気がまだあるなら、まだそういう気持ちがあるうちに、そして周りからまだ可愛がられたり、助けてもらえたりするうちに行った方がいいと思います。
もちろん、何歳になっても人と繋がる機会はあるから、人のことを知ろうとしたり、勇気をもって話しかける努力をするのは年齢にかかわらず大切だと思います。ただ、若いうちの方が面倒くさいの前に、「本当に興味があるから人に話しかける」「恥ずかしくても、聞きたいから聞く」ということが自然にできると思います。
お母さんも、「おばちゃん同士はどこも一緒だから」とか言って、マレーシアで道を聞いた知らないおばさんの車に乗せてもらったこともあるくらいだからね。話しかければ、人との繋がりはうまれるものです。
お姉ちゃんより