病気になって感じるカルチャーショック②

妹へ

元気ですか?

今日は前回に続いて、病気と文化の違いについて話します。

色んなところで病気になったけど、やっぱり家で病気になるのが一番です。2番目は中国かな。おかゆとか日本よりも美味しいし、医食同源という考えが強いので、日本人としては共感できることが多々あるからです。

ちなみにずっと昔に中国人のルームメーとがいた時、風邪をひいて寝込んでたらお粥を用意してくれて、その時に一緒に生姜と黒砂糖を似たようなドリンクを作ってくれて、それを飲んだら汗が吹き出してきてすぐに良くなったのを覚えています。

大学の時に、風邪がなかなかよくならない時、同僚に勧められた高麗人参のエキスドリンクの効果を実感して以来、それも重宝しています。これを買うためにカナダの漢方薬局に行き出してから、漢方というか、ハーブとか昔からある治療法に興味を持ち出してから、風邪薬とか、薬を飲まなくなりました。胃薬もウコンの粉末のカプセルやミントティーに替えました。

こうやって色んな文化や病気と民間治療を経験して、自分なりの病気に対しての考え方ができてきたような気がします。それと同時に、日本の病気との付き合い方にも疑問を感じているのも事実です。日本では、処方箋無しで買える薬が多いのと、なんでも薬で治そうとする傾向がある気がします。さらに、病気になるのは自己管理がなっていないからだという考えが他の国と比べて強いそうです。

出張中に行ったロンドンで風邪をひいた時に、仕事の後近くの中華街へ行って漢方薬局を見つけました。もう遅いのにまだ開いていて「遅くまで開いててよかったです」と言ったら「病気は時間に関係なく起こるので」と若い中国系のお姉さんに言われたのを覚えています。

そうです、病気はなりたくてなるものではありません。だから、もっと自分や他人の病気に対して寛容になったらいいのではないかなと思うのと同時に、無理して薬を飲んで病気であることを隠して日常生活を維持しようとするのは体に良くないのではないかなと思います。

ドイツでは、会社員であれば病欠は有給休暇から差し引かれず、休暇中に病気になったら、病欠とすれば休暇は消化されずに戻ってきます。医療保険が高いけど、その分、病気になったら国民保険が会社に休んだ日ぶんの給与を払ってくれるから、会社は病気で休んでも文句を言わない感じです。だから薬を飲みながら頑張るような人はいなくて、お医者さんも家で休んでれば治るという考えで、よほどのことがない限りは処方箋は出されません。

もちろんそれで仮病で休む人もいることはいるけど、それも想定内という感じです。こうなると一人で頑張っていてもしょうがないなと感じて、病気をしたら遠慮なく休むというようになりました。

ちょっとびっくりしたのが、お茶のみとタバコを繰り返して早番する怠け者の同僚が「過労になったから」といって、仕事を3か月以上休んだこと。これには正直びっくりしました。もちろんこの間、給料は支払われていて、しかもなんとかして海沿いにあるリハビリ施設に行かせてもらい、1か月ほどゆっくりして楽しい時間を過ごせたそう。ここまでくると、制度を悪用しすぎている気もします。

アメリカの会社によっては、有給がヨーロッパよりも少ないので、クリスマス直前に職場みんなが病気になって、それはどうみても仮病だけど、あえてそっとしておいて、上下関わらず休みをとるというところもあるそう。

長くなったけれど、病気になるのは国に関わらず人間に共通することだから、有給使って病欠をとらないといけないなんておかしいんじゃないかと思ったら、それが正解だと思います。もしもまだやる気があるのであれば、ヨーロッパで仕事に就けるように頑張るのはどうかなと思います。

お姉ちゃんより